先日の11月22日 朝5時59分
福島県沖を震源とする地震が発生しました。
鳴り響いた地震速報、津波警報。
M7.4の地震で、仙台港では最大1.4mの津波も観測、
福島、茨城、栃木各県で震度5弱、震源の深さは25キロ。
現在でも、震度1程度を中心とした有感地震が、
かなり発生しています。
色々と警報が遅れたと、色々と言われているようですが、
気象庁は予算が限られているので・・
色々と正確に予想するには、限界もあるでしょう。
どこからかは不明ですが、
とりあえずは「東日本大震災」から、
日本列島の付近は「活動期」に入っているようです。
地震などが起きると「人間心理の不安」から、
いろいろと凄いことを想像する方もいると思いますが、
まずは「日本の地形の成り立ち」から見てみると良いかもしれません。
これを調べ始めますと、諸説いろいろとあるのですが、
確実に調べるのは不可能に近いので、
「年号などは、おおざっぱ」に見る必要があります。

明日、日本が無くなるんじゃないか・・
いろいろと不安を持つ方も多い中と思いますが、
日本列島は、
1億年前には、存在していませんでした。
まず、ここのイメージ力が大事ですね。
「1億年前」です。
震災は、5年前です。
これを5円にすると・・1億とは想像がつかないほど遠いです。
1億年前、日本は、ユーラシア大陸の中です。
現在は存在しませんが、
1億年前の太平洋に「イザナギプレート」というプレートが
存在しており、そのプレートが北にズレていったことで、
ユーラシア大陸のヘリに「横ズレ断層」が出来ました。
当時で言えば、ユーラシア大陸のヘリにあたります。
その「横ズレ断層」が、現在の日本を形成した、
「中央構造線」に当たります。

現在の地形で説明しますと、
赤ラインが「中央構造線」、
青ラインが「フォッサマグナ」・・
東日本と西日本の境目となる地帯で、
「中央地溝帯」とも呼ばれます。
赤ラインの中央構造線が、
1億年前は、ユーラシア大陸側にあったのです。

7000万年前には、
イザナギプレートがユーラシア大陸側に押し続けられ始め、
イザナギプレートが、いわゆるユーラシアプレートの下に
沈み込んでいきます。
結果的にそれは、様々な堆積物がユーラシア大陸のヘリに
海で運ばれることとなり、それが地層となっていきます。
これが、現在の日本の「土台」・・
海の下にある日本の下の、地層土台になりました。
そして約3000万年前、
「地溝帯」・・いわゆる断層によって凹凸が連なっていた
ユーラシア大陸のヘリに「海が進入」してきて、
海底の拡大が始まります。
そして、浸食などで、大きな島が出来始めます。
これが、大陸と日本の分離のきっかけです。
そして300万年ほどで、
現在の「日本海」が出来上がり、
ユーラシア大陸と、現在とは形が違いますが、
「日本列島」として分離します。
ここでも年月をイメージしてくださいね。
分離していく年月は300万年という期間です。
伊達政宗が生きていた時代は、400年です。

そして、約2500万年前・・
現在の「東北のきっかけ」となる
ある出来事が起こります。
大陸から分離し、陸だった現在の東北地方が、
太平洋の地殻変動により、
現在の北上山地・阿武隈山地を残して、
海に沈んでしまったのです。
500万年前の図に、
東北地方に裂け目があるのが分かるでしょうか。
この東北の大きな東西の裂け目は、
激しい火山活動によって起きたモノです。
そして、裂け目が生じて、
陸地の沈下が起こってしまいます。
最も激しかったのは、現在の奥羽山脈付近です。
蔵王山の活火山の由縁は、ここからでしょうか。
この長きにわたる火山噴火により、
海に沈んで堆積物の地層を形成したのが、
現在の地域としては、茂庭や旗立エリアと言われます。
八木山などは入っていません。もっと後の時代です。
火山活動は、現在の奥羽山脈、
そして現在の松島・塩釜近郊で長く続いていました。
海の中での話です。
奥羽山脈だけでなく、色々なところで
火山噴火が起こっていた時代だったのです。
その後、奥羽山脈は隆起を始めていき、
陸に上がる高さになっていき、
現在の形へ近づいていきました。
つまり、この奥羽山脈の火山で隆起した結果、
東北地方を東西に分けてしまいました。
この部分は、最近、海で噴火し形成された、
「西ノ島」をイメージして頂ければ分かりやすいでしょう。
そして、100万年前〜2万年前ほどの期間、
大部分が海だったものから、海が引いていき、
陸地が形成されていきました。
八木山エリア付近の「竜の口渓谷」や、
現在、人の目に見える地層などは、
「300万年前」ほどからの地層と
言われています。
つまり、現在の仙台市も八木山エリアの地形も、
大きく見て「500万年近くかけて出来た地形」
ということになります。
その間に、火山噴火もありました。
そして、その火山灰などが降り積もりが、
現在の八木山などの、
仙台市全域で見られる「火山の堆積物」
ということになります。


日本列島が、大陸から分離を開始した約3000万年前・・
赤ラインの断層、
「中央構造線」が日本が作られるきっかけとなり、
青ラインのフォッサマグナ・・
東日本と西日本の境目となる「中央地溝帯」は、
海図を見ると海に繋がっていることが分かるかと思います。


そして、日本を形成した「プレート」は、
この記事で説明を始めた1億年前から現在に至るまで、
地殻の変動で、現在のように形成されています。
1億年という月日をかけて・・です。
現在、東日本大震災で日本列島が揺れていますが、
大陸から離れて「島」と化した期間は、
上記にもある通り、
「300年ではなく、300万年」かかっています。
プレートの上にある日本ですが、
日本が割れてしまうことがあったとしても、
数年で思い切った地殻変動が起きることはないです。
何100万年とかかる「歴史」です。
記録に残る1000年の間で、
地震が起こる場所や津波が来た歴史は分かっても、
その中で、北海道が割れたなど、大きな地殻変動が
あったことは無いのです。
あったとしても、何100万年とかかるのです。

宮城県の海側が、
なぜこんなに「湾曲」しているのだろう・・
そう思ったこと、ありませんか?
津波が何度も何度も来て、削れた・・
と思っている方もいるかもしれませんね。
これは、陸になった時代からこうなったわけではなく、
海だった時期に、海の中でこうなった形です。
堆積物の関係もありますし、
極端ですが海がもっと引けば、この形にはなりませんね。
ただ、宮城県沖の断層も、関係しているでしょう。
日本の断層についても、
すべて分かっているわけではありません。
地表から分かる「ズレ」と、
地層から判断するしかないのが現状です。
地表から分かるズレは、
コンクリートに囲まれ、建物や埋立地が多い東京などで
把握するのは、もはや困難です。
地表からのズレは、
何10年も前の航空写真と、現在の航空写真をマッチングさせ、
ズレている箇所が分かると、そこの地層を調べるのだそうです。
医療のレントゲンで、
病気を見つけるのと同じようなものでしょうか。
ただ断層を見つける場合は、
自然が残っている地域に限られるそうで、
建物が多い「都会」になると、
自然にあふれている昔と、マンションや住宅・ビルで、
地形を変えてしまっている現在の写真では、
比べることが出来ないので、困難なのだそうです。
さらに、仕方がないからと言って、建物が立ち並ぶ場所で、
当てずっぽうで、ボーリング調査するわけにもいかないので、
もはや都会では判断はしにくいでしょう。
仙台市内も同様かもしれませんね。
八木山でも、もはや不可能だと思いますが、
青葉山などの自然がある場所が残っているので、
見た目で調べることは出来るようです。
★★★