今回の東日本大震災で、津波被害の被災地を除くと、
阪神大震災のような直下型ではないこともあってか、
仙台市街地などでは「倒壊」という被害は大きくありませんでした。
ただ、地面の亀裂・隆起などの現象は、多数のエリアに広がっています。
「宮城県沖地震」を経験している宮城県では、
その経験が活かされていることで、
ブロック塀の倒壊はそう多くない現場がありました。
それでも、このように倒れている箇所はあります。
ブロックの中には鉄筋が入ることで、
バラバラに崩れていくことを防ぐことが出来ます。
今回の災害で、鉄筋が入っていないブロックなどは、
崩れていた場所も多く見られました。
傾斜地にある「緑ヶ丘・青山エリア」の一部分は、
「人工地盤」が滑った箇所が多数見られました。
人工地盤は、人が造ったモノ。
それは、以前の「地盤」の記事でも記載した通りです。
緑ヶ丘から青山・桜木町方向を見た写真ですが、
地面が動いたことにより、倒れかけた家屋もあります。
震災直前に「地盤」や「地層」を記事にしていたことで、
少しお分かり頂けたと思いますが、
基本的に八木山の地盤はしっかりしています。
しかし、しっかりしている地盤でも、
人が造った「人工地盤」に関しては、
どうしても立地条件によっては「地滑り」が起きやすいです。
取材していて気づいたのですが、
今回の災害で、「茂庭」「旗立・太白団地」「愛子付近」などに
関して、他のエリアと比べると
「揺れが少なかった」という状態があったようです。
マンションなどの高層帯は別ですが・・。
地盤に関係なく、一軒家よりは揺れますので。
仙台市内西部で、
「震度6弱」もあったような感じがしないという声も
多く聞かれています。
太白団地などは「旗立層」という地層の上に住宅などが
建っていますが、
その層などがガッチリしているとは昔から言われていました。
緑ヶ丘エリアの一部分は、
野草園の昭和20年代の地滑り跡を整地・造成した
エリアがあるので、
この部分は、人工地盤が動きやすいでしょう。
仙台市内各所で、地面が割れたり陥没したり、
国道4号線でも、段差や隆起が出来て、
クルマで走るとかなり揺さぶられる場所も多発しています。
応急処置という感じで修復されていますが、
「地面は動きます」ので、
ある意味、この程度で済んで良かったねという考え方を、
する必要もあるのではないでしょうか。
<八木山橋・震災直後>
★★★