★★★
自然の猛威。
大きく見れば地球にいる私たちが、自然の猛威を見せられた時、
「誰のせいでもない」と感じる。
今回の震災では、人為的なミスといわれる「人災」も
様々指摘されているが、
取材班はその場にいた訳ではないので、記事には出来ない。
その場にいたら、正確な判断が出来たのかも分からない。
震災の日、仙台市街地の高いビルに囲まれた場所、
車内で地震に遭遇した取材班は、あまりの揺れの大きさで外に出た。
この行動は、ビルに囲まれている場所では間違いかも知れない。
明らかに冷静な判断はしていなかったように思う。
その後、八木山エリアへ帰るために「青葉城址ルート」に向かった。
しかし、以前から記事にしているためお分かりと思うが、
八木山エリアと仙台市街地を結ぶ大動脈、
「青葉城址ルートの崩落」が目の前に広がっていた。
ここを通って帰ってきたのも、明らかに間違いの判断であろう。
<撮影:株式会社東北記録映画社 3月22日>
震災から半年が経ち、崩落箇所以外については
徒歩において移動出来るようになったが、
青葉城址ルートは依然として通行止めが続いている。
あの日、地震が起きてから数時間後に通行止めとなったが、
当日に通過した車両も多くあり、
崩落した現状を目撃した方もいたであろう。
この場所は、国と仙台市が管理するエリアと、
宮城県護国神社が所有するエリアに分かれているが、
国や仙台市が管理するエリアは「国の史跡」に指定されている。
しかし今回崩落したエリアは「宮城県護国神社」の管理だった。
仙台市は、この護国神社が管理するエリアも含めて
青葉城跡全体の国指定を目指している。
崩落地点から仙台市街地側にある本丸の石垣は、
崩落の危険性があったことから、
98年から03年にかけて石垣の全面修理を実施。
この時に、過去に何度かの修復が行われていたことが分かった。
今回崩落した場所は、
仮に簡易的にでも石垣修復した場合、
文化的価値が失われるのだそうだ。
単純に言えば、
目指している「国の史跡指定」が絶望的になると言うこと。
「崩落した石が、どこに積まれていた」のかも完全調査するようで、
その調査するだけで数か月。
さらにその後に石垣の積み直しを行うと「修復は年単位」だそう。
今思えば、10年前に本丸石垣を修復していなかったら、
今回の震災で「死亡事故」も起きた可能性があったため、
「修復しておいてよかった」という言葉しか見あたらない。
<撮影:株式会社東北記録映画社 3月22日>
現在はブルーシートに囲まれ、ゲートもあるが、
震災から間もなくはバリケードがなかったため撮影できたが、
とんでもないことが起きた事を撮影中に感じた記憶がある。
毎月撮影した訳ではないが、
「定点撮影」をしておいたのでご覧頂きたい。
<撮影:株式会社東北記録映画社 3月22日>
<撮影:株式会社東北記録映画社 4月17日>
<撮影:株式会社東北記録映画社 5月9日>
<撮影:株式会社東北記録映画社 7月13日>
最初からすぐの3月22日以外は、
通行止めになっていたため中には入れなかったが、
5月から「雑草」「緑」が多くなってきていることが分かる。
そして、「震災から、まったく触らない状態を維持」している
事が分かるだろう。
これも史跡に関わる事からの「現状保存」である。
史跡に関わる場所ということで仕方が無いとも言えるが、
観光エリアにある八木山エリア付近では、
この「青葉城址」の観光ダメージが一番厳しい。
「観光客 90%減」という状態が続いたのだ。
「道1本だけで」ここまで・・と表現したいところだが、
これが現実なのであろう。
少なからず「動物公園」や「ベニーランド」への影響もあり、
さらに八木山エリア周辺の住民への影響もかなり大きい。
仙台宮城インター/作並方面へ向かうため、
宮城教育大学方面の「青葉山・峠道」を使う方々も多く、
かなり交通量が増えている。
「青葉山線/郷六青葉山線」という仙台市道だが、
青葉城址ルート通行止めの余波は、この道にも影響している。
金銭面の関係も大きいはずだが、八木山エリアの住民の大半は、
「復旧」を求めている。
あきらめ感も感じていると思うが、かなり不便を感じている。
しかし「史跡」ということも分かっており、
文化財としての重要さも分かっている。
そのための「あきらめ感」だ。
<撮影:株式会社東北記録映画社 3月22日>
取材班は、仙台市街地へ向かう時は「向山ルート」を
多く使っている。
これまで、ここまで多く使用したことは無いほど、
向山ルートである。
そのため、建ち並ぶ商店の移り変わりも日々把握出来ている。
八木山神社前のセブンイレブンの利用数も増えていたり、
何かと向山エリアの、お店の利用が増えている。
今回の震災で、向山エリアに知らないうちに
親近感が沸いた方は意外と多いのではないだろうか。
この青葉城址石垣崩落、マイナス面ばかり目に付いてしまうが、
プラスで見れば、
八木山・向山エリアにお金を回す機会が増えているため、
良いこともあると感じる。
★★★
2011年09月12日
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