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太白区の八木山地域にある、1つの消防機関。
緑ヶ丘・大塒エリアに「太白消防署 八木山出張所」があります。
初めて八木山出張所を取材させて頂いたのが、
震災前の2月下旬のことでした。
八木山出張所にある消防自動車は2台です。
水槽付きポンプ車「八木山1号」と、
普通ポンプ車「八木山2号」です。
取材当初、水槽付きポンプ車「八木山1号」が、
22年度末・23年度初頭に「新車に変わる」という
予定になっていました。
これは当時の記事でもお知らせしたと思います。
これが八木山1号です。
平成6年より配備されていたベテラン消防車でした。
この2月下旬の段階で、この八木山1号を見ることが出来るのは
あと1ヶ月くらいのはずでしたが、
つい最近までずっと配備され続けていました。
今年3月いっぱいで廃車・引退するはずだった八木山1号が、
ずっと配備され続けた事には、理由がありました。
実は、関西の方で製造され配備されるはずの新型八木山1号は、
消防カラーの赤に塗装するために、
東日本大震災が発生した3月11日、岩沼市にありました。
その場所は、津波が到達した場所だったそうです。
新型八木山1号は、津波に流され使用不能になったのです。
200メートルほど流され、
同時に青葉消防署・片平出張所の消防自動車も、
新型八木山1号と同じく津波被害を受けたそうです。
震災から8ヶ月。
旧型八木山1号は、ついに新型になりました。
今月中旬、八木山出張所に配備された新型「八木山1号」です。
旧型と同じ日野自動車製、「水槽付きポンプ車」。
タンク内・1500リットル/1.5トンの「水槽を装備した」型で、
消火栓などに繋がなくとも、
到着後すぐに放水できるタイプの消防車、
基本的には旧型と仕様が同じで、2輪駆動のタイプです。
八木山2号は4輪駆動です。
新型1号のミッションは「オートマチック」だそうです。
上が新型、下は旧型です。
メーカーが同じ「日野自動車」ですが、
普通の車と同じく「モデルチェンジ」すると、
「新顔」になるのは新鮮ですね。
パッと見ると、
劇的に変わっている点が「オールシャッターのポンプ車」に
なっていることです。
上が新型、下は旧型です。
八木山2号もオールシャッターのポンプ車ですが、
新型1号も同様になりました。
タッチパネル等の「デジタル化」も進んでいて、
進化している場所が色々とあるんです。
旧型1号の形の方を好む方も多いと思いますが、
シャッター式の方が備品等の「防犯」や、
シャッター内に入っているものが雨の時などに
汚れないなどの利点が多いそうです。
シャッターを閉めると「赤一色」になるんで、
何か描きたいな・・といつも感じる取材班です(^_^;)
前回、消防自動車を特集した枠で、
「建築基準法」は「消防自動車を基準につくられている」
と記事にしていますが、
八木山の道路はもちろん、
至る所に走っている「道路の道幅」も、
「消防車を基準に決められて」います。
そのため、八木山エリアのように「勾配」があり、
住宅地がギュッとなっている密集地域になると、
「消防自動車が、入って行きづらい」という
状態になります。
今回の新型1号は、旧型1号よりも「少し大きくなっている」
そうで、「道幅」という部分で苦戦することが多くなるようです。
この上記の写真を見て下さい。
前輪の下に「オレンジのライン」が入っていますが、
このラインは「旧型1号」のタイヤ位置です。
こういう所もビシッと停止線を引いているのが凄いですね。
そして後輪に回ってみると・・。
あれ・・ズレていますね。
このラインは「旧型」のラインなので、
「旧型と新型のホイールベースが違っていて、新型の方が長い」
ということになります。
ホイールベースとは、前輪・後輪の距離を言います。
旧型より47センチほど長くなったそうです。
この距離が長いと「高速走行で安定する」という利点なども
ありますが、
「Uターンなどの小回りが効きにくい」という弱点もあります。
旧型では、車の前輪外側のタイヤが回れる「最小回転半径」が
5.3メートルだったものが、
新型では6.0メートルになっているようです。
私たちのクルマ生活では、この最小回転半径の数字は、
Uターン等をする時に、参考目安になる数字ですね。
しかしホイールベースが長いからといって、
カーブを曲がる事が不得意という訳ではなく、
交差点の角を曲がるなどでは、影響はありません。
運転する時の「感覚」は確実に変わってしまいますので、
この新型八木山1号に慣れる必要はあるのでしょう。
こういう事は、普通のクルマに乗る私たちも一緒ですね。
ただ私たち一般人が、ホイールベースなどの数字を
じっくり見る事は、ほとんどいないのではと思いますが
地域等の防災を行っている消防職員の方にとっては、
大事な数値の1つなんですね。
こういう点のひとつことつ、
消防活動で欠かせない消防自動車が、
「狭すぎて、入っていけない道路がある」とか、
「登ることが出来ない道がある」「曲がりきれない」など、
火災が起きて出場した時に「現場付近で一大事」になってしまう
ことがないように、しっかり確認するわけですね。
そのため、緊急時以外の時、実際に消防自動車を進入させて、
その場所に入れるかどうかなどを、
ちゃんと事前に「チェック」しているんです。
今回の新型1号が、仮に入っていけない場所があったとしても、
「一回り小さい八木山2号」があるので対応出来ますが、
職員にとっては、
消防自動車の性能はかなり神経質になるようです。
さらに注目ポイントが、
後輪からボディ後端部までの距離、これを「リアオーバーハング」と
言いますが、この距離が長すぎてしまうと、
平らな道から登り坂に入ろうとした時に、
リア先端を地面にヒットさせてしまいます。
そのため新型八木山1号、登坂の多い八木山エリアでの
活動が多いため、下側を少し削っている仕様になっているそうです。
パネルトラックのような形、
凹凸の少ない、四角!という形をしていますね。
赤色灯や赤い色をしていなかったら、
消防車に見えないかも知れませんね。
水と消火薬剤を混合し、泡状で放水する装置も付いていて、
水分の表面積が大きくなる事で、
少量の水で消火することができるそうです。
シャッターの中は、画期的な装置がたくさん付いているんですね。
私たちの八木山地域の「防災」、
もし何かがあった時に守ってくれる「消防自動車」。
消防職員の大切な相棒・仲間でもある消防自動車
ですが、私たち住民もそう言う目で見守っても良いのかな
と思い、許可を頂き「消防車・単独取材」をさせて
頂いています。
もうひとつは、御両親が当サイトを見てくれて、
子供に見せたら喜んでくれるかな、とも感じていたため、
消防の消防車、警察の「パトカー」は、単独記事にしています。
八木山・大塒エリアに太白消防署 八木山出張所があります。
震災の時、八木山エリア全域で「火災件数がゼロ」でした。
八木山エリアに住む方々、完ぺきでしたね(^^)/
停電してから「電気が灯く前」まで、
ブレーカーを落としておくという指導がありました。
ただ電気がなかったために「携帯ラジオの指導」や
新聞のみでしたが、
ブレーカーを落としていなかった家庭でも、
火災が起きなくて良かったですね。
震災直後から、「ガス臭い」という問い合わせ・通報が
多数寄せられていたそうですが、
消防では件数が多すぎてどうにも出来なかったそうです。
「その近くで、出来るだけライター等の火を使わないように」
ということしか言えなかったと言います。
ガス管が破裂・亀裂が生じたことからのものでしたが、
メインの供給元からのガス供給が無くなっていたので、
当時ガス臭かったのは、その付近に残っていたガスの残りのため、
ずっと強烈に臭くなっていた事はなかったのではと思います。
この先、起きて欲しくはないですが、
震災が起きた場合、私たちは「経験後の対応」ですので、
その記憶は忘れないで下さいね。
この太白消防署・八木山出張所、
場所を教えようとすると、
ちょっと分かりづらい位置にあるのはご愛敬!
八木山消防署と書きたいけれども、
正式名称は「太白消防署 八木山出張所」!
みなさん、この八木山出張所の前を通った時に、
消防車を見てあげて下さい。
子供は手を振ってあげて下さい♪
八木山エリアに、新しい仲間が増えました。
宮城県仙台市太白区大塒町11-20
電話/ファックス兼用 022−229−4639
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2011年11月16日
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