2011年12月12日

八木山 緑ヶ丘エリアの風評被害

★★★




昭和53年・宮城県沖地震。

平成23年・東日本大震災。


共にマスコミ等で内陸部の被害としてピックアップされたのが

「太白区緑ヶ丘エリア」。


当サイトでは八木山エリアとして括ってあるため、

取り上げないわけにはいきません。



先日、河北新報さんの記事にも掲載されて、

驚かれた方も多いのではないでしょうか。

今年の夏にも、取り上げられたと思います。


京都大防災研究所斜面災害研究センターによると、

緑ヶ丘等では、地滑りが今でも続いていて、

傾斜角度も増えている、というものでした。




昭和53年の宮城県沖地震でも被害を出した緑ヶ丘エリアですが、

緑ヶ丘1丁目の全半壊の被害が「約50戸」。

2丁目が「無し」。3丁目が「約80戸」。

そして4丁目が「150戸」を出しています。


一部損壊は含まれていませんが、宮城県沖地震では、

全半壊を含めて、緑ヶ丘に限らずに様々なエリアで被害が出ました。


しかし、

「他の地域と比べると、突出した」ことでピックアップされました。


「緑ヶ丘」として括ってしまうと「全域」として

勘違いしてしまいますが、

宮城県沖地震では

「緑ヶ丘2丁目」には大きな被害はありませんでした。



宮城県沖地震で被害が出た「緑ヶ丘1丁目」は、

崩落したエリアを「緑地化」し、鋼管杭を打設。

さらに打設した杭の上に、土留めとしてコンクリート擁壁を

施工してあります。

このため今年の震災では、1丁目の緑地化した場所は、

変化はありませんでした。


同じく「緑ヶ丘3丁目」も、被害の場所は緑地化し、

鋼管杭を打設しましたが、

東日本大震災では、緑地化した一部で地割れと地滑りを

起こしました。



そして今回の震災で突出したのが、

「緑ヶ丘4丁目の傾斜地」でした。


しかし、今回の4丁目の被害は特徴もあります。


昭和53年の宮城県沖地震では、

他の緑ヶ丘エリアでは、被害が突出した場所については

「緑地化」しましたが、

緑ヶ丘4丁目だけは「住宅地として再利用」しました。


地滑り等を抑止する「抑止工」はされておらず、

「水路工」のみが施工されている状態でした。


結果的に今回の震災では、

その4丁目の被害が大きくなる結果を生んでしまった形に

なってしまいました。




viewer.jpg




復建技術コンサルさんの資料をお借りしてご説明します。



私たちの住む家などの建物は、

「山を削って平らにして」、そのままの地盤の上に建っている

「地山/切り土」の場所と、

凹んでいる谷だった場所を埋めたりするなどして平らにした

「盛土」の場所があります。


「盛土」の場所については、

谷のような凹んでいる場所が「地山」にあたるので、

埋めた土は「人工の土」、つまりは「人工地盤」となります。


その谷が深ければ深いほど、埋めた量が多くなり、

「人工地盤」の土の高さ<深さ>は増すことになり、

さらには「人工地盤の土の質」にも問題が出てきます。


それを証明すべき図が、上のものになります。


緑ヶ丘3丁目・4丁目の「盛土の深さ」を現すモノですが、

赤くなっている場所は、

「地山の場所から深さ30メートル以上、盛土されている」

ことを示しています。

逆に青い場所は、

「山だった場所」を切って、現在の高さにした「切った高さ」

を示していて、青の場所は「地山」と言うことになります。


今回の震災で被害が突出したのが、

「盛土されている傾斜地」でした。



盛土と、30メートル以上下にある「地山」との境目が、

震災から9ヶ月経過している現在でも

地滑りを起こしていると言うことになります。


京都大防災研究所斜面災害研究センターのお話しでは、

9ヶ月も経過しているのに、地滑りが続いているのは

「異常」だそうで、対策を急げと言うことでした。

地下水の影響で、9月の台風15号でも、

傾斜が0.5度ほど増したそうです。



IMG_8101.jpg

<仙台トラストタワーより 八木山方向>




風評と記したタイトルにしましたが、

現在でも「緑ヶ丘4丁目」に出されている避難勧告は、

「継続中」です。



しかし、緑ヶ丘エリアに限らず「地震・地盤被害」を

出した地域は数多いです。


八木山エリア内でも、

青山・大塒・松が丘・恵和・本町等でも被害は多く出しています。


他の丘陵地や、平らな立地でも、湿地帯だった場所等で

地面の隆起・沈下は数多く起きています。



逆に震災の後、

歩道やクルマで走ってみるとお分かりになると思いますが、

「道路などの状況が、震災前と同じ状況」になっている場所も

多いと思います。


そう言う場所は

「あれだけ揺すられた震災でも、影響がなかった地盤」

と言うことになります。

当然、これらの場所は「盛土地帯」も同じ事が言えます。



緑ヶ丘エリアを、通ってみて下さい。


バス路線化は勿論のこと、

「走りにくくなった場所は、ほとんど無い」と言うことが、

分かると思います。



震災後、家屋・マンション等にダメージが出た場所もあり、

揺れの強さに関しては、若干の差はあったと思いますが、

被害が大きかった大半は「築年数の多い建造物」だった

ということも追記しておきたいと思います。



取材班、これまで宮城県内で起きた大きい地震で、

その被災地に足を運んでいますが、

ニュース等では倒壊した家ばかりを流してしまい、

被害が大きく見えてしまいますが、

「10年以内の新築物件」では、

外見上では全く被害がなく、

被害があったのは建築から50年以上経っている家など

ばかりという現実があります。


地盤などは関係がない「家の質の問題」という部分も

少なからずありますので、

決して「地域の地盤の問題」ではないと言うことは

分かって頂きたいと思います。




IMG_8128.jpg

<仙台トラストタワーより 緑ヶ丘4丁目付近 下側>




最近、新しく家を建てる時に、

昔の立地がどうなっていたかを調べる方が増えていると聞きます。

八木山などは「等高線図」などでしょうか。


元々、八木山は山ですが、

谷だった箇所も数ヶ所、存在しています。

そういう場所は当然「埋土・盛土」の場所ということになりますが、

全く問題がなかった盛土のエリアがほとんどでした。

もちろん影響が出た立地もありました。


平地に建った家屋よりも、マンションの高層建造物の方が

内部被害が莫大だったという事例も多くありました。



今週は、緑ヶ丘エリアをピックアップしようと思います。

新しいお店も取材済みです。



八木山に住んでいる方でさえ、

勘違いしている方も多いと思いますので、あえて記載しました。


緑ヶ丘エリア全域が、地震で被害が出ているわけではありません


緑ヶ丘は、切り土地域が多く存在していますし、

「緑ヶ丘は危険だ」と思っている方のほうが、

実は危険な立地に住んでいるのかも知れません。






★★★







posted by 八木山取材班 at 23:57| 宮城 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 八木山放送局NET | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは!

私の実家は、4丁目の避難勧告が出ている所に有ります。
家へのダメージは、まだ進行しており
隙間がどんどん大きくなっています。

年末帰りますが、
来年の正月が、実家で過ごす最後の正月になりそうです。
寂しいですがしょうがないです。


熱帯魚屋さん、昔は文房具屋だった所ですね。
年末覗いてみます。
Posted by ビール大好き at 2011年12月14日 18:51
コメントありがとうございます。

実家で過ごす最後の正月・・。 そうでしたか。
ご家族の無事、本当に良かったですね。

これだけの規模の震災のため、
対応といった面では「遅い」という部分も多々ありますが、
「風化」はさせないように特集していきたいと思います。

帰省の際、お気を付けてお帰り下さい。
Posted by 八木山取材班 at 2011年12月14日 19:12
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