東日本大震災。
予想もしない被害で、1万5千人以上の方々が亡くなり、
未だに行方不明の方々が大勢います。
大津波により、仙台市やその付近で亡くなった方々は、
遺体安置所として指定された「グランディ21」まで運ばれ、
すべてのご遺体に対し「検死」が行われ、
その後に遺族に引き渡されました。
グランディ21の脇では、泥などが付着してしまったご遺体を
自衛隊の方々などが水で綺麗にするといった事が行われていました。
これは、あまり報道されていなかったことではないでしょうか。
火葬大国として知られている日本ですが、
東日本大震災では一部、土葬が行われました。
土葬は条例で禁止している自治体が多く、
マニュアルは無く、その方法さえも分からないというケースが
ほとんどだったと言います。
急遽、特例措置の適用に向けて対応に追われ、
宮城県内では「6市町村」が土葬に踏み切り、
一時期1000人以上の方が埋葬されました。
土葬に踏み切らざる得なかった理由は、
ライフラインの寸断、身元確認が困難なご遺体、
維持するために必要なドライアイスの不足、火葬場の被災、
燃料不足などにより火葬が追いつかないという事態が発生したのです。
仙台市での火葬場は、仙台市葛岡墓園。
震災では、葛岡斎場のインフラが完全停止。
電力は早々に復旧したものの、
火葬炉の燃料は「都市ガス」に依存していたため、
火葬が出来ない状況に陥ったそうです。
さらに、予想を超えた犠牲者が出たことで、
葛岡斎場が受け入れられる限界を超えてしまった現実がありました。
震災から数週間、葛岡斎場のゲートには、
火葬を待つ葬儀社等のクルマで渋滞が起きていたと言います。
土葬について、条例で禁止していた仙台市は、
仙台市長が急遽、条例を改正。
園内への仮埋葬/土葬を認め、
園内の高台周辺に仮埋葬地を造成しました。
都市ガスが復旧した4月3日以降は、
通常の3倍にあたる1日60体の火葬体制に引き上げ、
仙台市以外の犠牲者の受け入れも行いました。
人の「死」は、必ず訪れるもの。
さらに、普段の生活において
もっとも考えないようにしている事でしょう。
しかし今回の震災で、人の死というものを、
「身近」に感じてしまった方々も多いと思います。
そして私たちも含め、
人が亡くなった時に、お世話になるのが「葬儀屋」さんですが、
震災で亡くなった方々の多くは、
普通の葬儀を行えなかった事例が多くあり、
こういう事態だったため、
残された遺族の方々は、「火葬」を優先したと言います。
本来ならば、
私たちも考える終末期へ向かうイメージの通りに、
進めなかった苦しさ。
そのエンディングの位置にある「葬儀」という営み。
葬儀が、人間の尊厳に直結していたという事実。
私たちの知る「普段の葬儀」が出来ない、
してあげられなかったという事を考えるだけでも、
胸が苦しくなります。
そして今回の震災で、
犠牲になった方々のご冥福をお祈りいたします。
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前述で「人の死」というものを考えることで、
あえて東日本大震災のことを書かせて頂きました。
みなさんは、どう感じているでしょうか?
大人だけが考えるものでは、ないのではとも感じます。
そして、今回の震災前。
八木山エリアに、震災前から建設準備を開始した建物。
当サイトでも、度々ご報告していたと思います。
旧・みやぎ生協さんの跡地です。
平成24年4月16日に開堂した葬祭会館。
株式会社あいあーる
「セレモール八木山」 様です。
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株式会社あいあーる
「セレモール八木山」
葬儀会場 70名収容
会食会場 約50名
駐車場 30台収容
キッチン、バス、トイレ、冷蔵庫、
TV、電話、お布団完備
〒982-0801
仙台市太白区八木山本町1丁目37
電話022-398-8541 FAX 022-398-8547
株式会社あいあーる 「セレモール八木山」様から、
リンク・取材依頼を頂きました。
右のリンクに追加させて頂きます。
ご協力ありがとうございました。
完成してみると、
会館の回りにグルッとゲートが設置されました。
本来は予定になかったことだったようで、
ゲートについては、住民要望をしたと、
住民取材をした時に伺っていましたが、
結構、閉鎖感が強い事が内側からも見受けられました。
「セレモール」さんは、市内に8箇所あります。
他社の葬儀社さんを含めると、かなりの数になります。
「あいあーる」さんと言えば、
結婚式場「パレスへいあん」も同会社の運営です。
会館内も撮影させて頂きましたので、ご紹介します。
正面入り口の脇には、「受付」があります。
臨時のテーブルなどではなく、
しっかりとしたブースで用意されています。
最近、トイレを撮影する機会が多くなってしまいましたが、
緊急の「更衣室」も兼ねた「バリアフリー・トイレ」1箇所、
男子・女子トイレ各1箇所、合計3箇所あります。
最新鋭のトイレでしたね。
ここは、「宗教者控え室」です。
お寺の住職さんなどの控え室ですね。
葬儀をする時、色々な宗派があると思いますが、
お墓があるお寺の住職さんをお呼びすることが多いと思いますが、
住職さんは「葬式は、自分の寺でやって欲しい」という思いも
あるので、葬祭会館さんが不手際をしてしまうと、
遺族側が「とばっちり」を食らうことも珍しくありません。
そういう面もあるので、スタッフさんの対応はもちろん、
「控え室」などは結構重要です。
そしてここが、「親族控え室」です。
正面は「故人」の場所です。
その場所の右側には扉があり、「告別式会場」と繋がっています。
今でも風習が残っていますが、
「お通夜で、ろうそくを絶やさない」で、見守り続けるといった
ものがありますね。
今はろうそくではないので大丈夫ですが、
医学の発達していなかった時代、
亡くなってから、お通夜、本葬、出棺までの間に、
故人が生き返る事がありました。
故人が棺から出てくると、ビックリしますね・・。
残された側にとっては、死を受け入れられない時間ということもあり、
灯明を絶やさず、蘇生を待ち続けていた名残が、
「ろうそくを絶やさない」に繋がっていると言います。
さらにもうひとつ、お通夜は故人と共に過ごす最後の夜なので、
寂しがらないように傍に・・という事を、
違う表現で表しているということで広がっています。
この「親族控え室」には、「台所」も完備されており、
冷蔵庫なども揃っています。
さらに「洗面台」「お風呂」も完備されています。
取材班の家よりも、広いです・・。
「セレモール八木山」さんは、少人数「家族葬」がメインになり、
さらに「八木山の地元住民」が利用することを前提に
考えられて立地しているので、
最大のメリット、
「すぐに自宅に戻ることが出来る」があります。
交代で見守るという場合でも、
「交代で自宅に戻る」ということが簡単にできてしまうので、
「地元の葬祭会館の最大メリット」が、
「自宅から近い」ということです。
それを考えれば、
自宅から遠い場所で葬儀を行う場合、「控え室をフル活用」する必要が
ありますが、セレモール八木山さんの場合は、
「控え室フル活用」にはならないかも知れませんね。
そして、「葬儀告別式会場」です。
収容を最大70名で想定されています。
祭壇の左側は、先ほどの「控え室」と繋がっています。
写真は「布団」で見えていますが、「棺」の場合が多いでしょうか。
祭壇側から見た写真です。
向こう側に見えるのは、「法事会場」です。
「葬儀告別式会場」と「法事会場」は、繋がっています。
人数に応じて、拡大できる形状になっています。
4月16日に開堂した「セレモール八木山」さんですが、
内覧会にはかなりの人数の方が来場したそうです。
八木山エリアの住宅地の中に完成したとはいえ、
この場所は「商業地域」です。
みやぎ生協八木山店があったイメージが強く、
歓迎していない方もいるかも知れませんが、
地主さんが承諾している訳ですし、
商業の場所ですので、流れですね。
地域密着を完全に地で行かなくてはならないのが
葬祭会館のお仕事の1つだと思いますので、
「人」で繋がって欲しいですね。
地域は「人のつながり」です。
施設や会社ではなく、人だと思います。
人との「つながり」がうまく行かなければ、
どんな地域でも、上手くやっていくことは不可能です。
葬祭会館は、どうしても人の死と直結しているため、
イメージという部分で悪く思われがちです。
葬式をしている最中は無理ですが、
気軽に立ち寄ることが出来る「スペース」として、
活用して頂きたいと、スタッフさんもおっしゃっていましたので、
取材班は、お茶を飲みに行きます(^^)/
お寺と葬祭会館は「同一ライン」にいるはずです。
お寺で、よく子供の頃は遊んだりしていたもので、
決して悪いイメージはありません。
お墓のお供え物を食べてしまい、住職に追いかけ回されるという
思い出がある方も多いでしょう。
気軽に寄ることが出来るはずの「お寺」。
そうではないイメージの「葬祭会館」。
伏線には「住職」という「人」の存在も
大きく関わっている気がするので、
そう考えると、要は「葬祭会館のスタッフさん」なんだと思います。
さらに、
私たち地域住民のマイナスで働く「固定概念」についても、
少なからず変えていく必要はあります。
「死」ということも改めて考え、
私たち住民も「新しい経験」を積む時なのかも知れません。
新しい目線で、見ること。 見ようとすること。
そして、
八木山の地で最後を迎えるという新しい選択も、
出来るようになったという事も。
平成24年4月16日開堂した
株式会社あいあーる 「セレモール八木山」さん。
八木山エリアの仲間入りです。
宜しくお願いします。
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