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八木山エリアの様々な場所から「太平洋側」を眺めると、
「あること」に気づくことが出来ます。
八木山エリアは、当然「山」です。
500万年以上前から、
海だったり火山だったり「自然の力」によって
堆積物が長い年月をかけて積もり、
現在の「八木山エリア」が形成されています。
「竜の口層」や「向山層」などの、
年月をかけて形成した「地層の上」に私たちはいる訳です。
八木山エリアの高い場所での標高は
現在は約200メートルほどありますが、
500万年以上前は、
極端に書けば「海抜0メートル」だった訳です。
当然、海だった頃の時代は、
今の八木山エリアに住む方の土地は下は、「海」です。
その八木山エリアの中で、
動物公園付近から南東方向(太平洋方向)にかけて、
緩く傾斜していく地形面になっています。
上記写真ではわかりにくいですが、
この地形面は「青葉山段丘」と言います。
本来なら、
海抜の低い、太平洋の海側の地形である「沖積平野」に
「青葉山段丘」とか繋がっていくはずなのですが、
途中に『地形の高まり』が確認できます。
ちょっと見にくいので、クリックで確認して頂きたいです。
赤い文字に書いたエリアが、
『地形の高まり』がある部分です。
この地形の高まりのエリアは、
「大年寺〜緑ヶ丘〜三神峯」ラインと
ここでは呼びます。
この大年寺〜緑ヶ丘〜三神峯ラインから太平洋側の地形は、
かなりの「急勾配」になっていて、
ここから太平洋の海側の地形である「沖積平野」と
繋がってます。
上記にも記載した通り、本来なら
「動物公園付近からの青葉山段丘から太平洋側の沖積平野まで、
緩やかに傾斜して下りていく地形になるはず」が、
大年寺〜緑ヶ丘〜三神峯ラインで盛り上がった地形に
なってしまっています。
大年寺〜緑ヶ丘〜三神峯ラインについて、
この高まりをもう少し見てみると、
実は広瀬川を越えて、
「南鍛治町〜仙台一高〜新寺小路〜仙台育英学園〜
陸前原町」以降まで続いています。
これは、なぜでしょうか?
答えは、
長い年月をかけての「地盤の上昇」によるものです。
大年寺山〜二ッ沢にかけては、
「大年寺山断層」によるもので、
長町利府断層も同様に
『逆断層型』で隆起した結果です。
緑ヶ丘エリア方向の写真です。
緑と緑との間に住宅地が見えますが、
緑ヶ丘エリアと大塒エリア・その近隣地域です。
大ざっぱに、八木山エリアを緑に囲みます。
そして、大ざっぱに「茶色」の部分が
隆起し始めている部分です。
「盛土」などで現在は地形が変わってしまっていますが、
何となくこんな感じです。
色を付いていない、太平洋側のエリアは、
「沖積平野」です。
この隆起地域については、
「長町利府断層」と「大年寺山断層」が関係し、
それによっての地殻変動によって形成された地域です。
長町利府断層については、
1年に約0.65oの変動と言われていて、
大年寺山断層は約0.1oです。
周期は600年〜1000年と言われていて、
長町利府断層で起きたと言われる地震、
一番近い時期では1736年と言われており、
現在はまだ周期の半分も満たしていません。
ただ現在のハイテクを駆使しているデータではなく、
「古文書」によるものなので、正確ではないと思います。
この断層帯が活動を開始した時期は、
10数万年前と言われているそうです。
国道286号線沿いの「三桜高校」、
昔の三女高付近の地形が大年寺山方向に隆起していますが、
これも断層帯によるモノです。
芦の口付近
仙台市の地形は、
全国的にも同様に見られることですが、
気候変動によって起こった「海による昇降運動」に
支配されながら原型形成されています。
しかしながら、
長町利府断層のような断層による変動、
仙台市内の河岸段丘などによる地形形成もあります。
八木山付近の「青葉山」に関しては、
どこからの火山か不明ではありますが、
「火山灰」で覆われている地域でもあります。
現在では、
「緑ヶ丘」「大年寺山」「三神峯」と名前が付いていて、
別々の山のように見てしまいますが、
実は 「大年寺〜緑ヶ丘〜三神峯」ラインは
「1グループ」の隆起地点なんですね。
今日「11月9日」から、「火災予防週間」です。
「119番の日」です。
今年の八木山エリアは「火災が多い」ですので、
火の元には注意して下さい。
★★★
2012年11月09日
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