2012年11月09日

長町利府断層 「大年寺〜緑ヶ丘〜三神峯」ライン

★★★



八木山エリアの様々な場所から「太平洋側」を眺めると、
「あること」に気づくことが出来ます。

八木山エリアは、当然「山」です。


IMG_8746.jpg



500万年以上前から、
海だったり火山だったり「自然の力」によって
堆積物が長い年月をかけて積もり、
現在の「八木山エリア」が形成されています。

「竜の口層」や「向山層」などの、
年月をかけて形成した「地層の上」に私たちはいる訳です。

八木山エリアの高い場所での標高は
現在は約200メートルほどありますが、
500万年以上前は、
極端に書けば「海抜0メートル」だった訳です。

当然、海だった頃の時代は、
今の八木山エリアに住む方の土地は下は、「海」です。


その八木山エリアの中で、
動物公園付近から南東方向(太平洋方向)にかけて、
緩く傾斜していく地形面になっています。
上記写真ではわかりにくいですが、
この地形面は「青葉山段丘」と言います。

本来なら、
海抜の低い、太平洋の海側の地形である「沖積平野」に
「青葉山段丘」とか繋がっていくはずなのですが、
途中に『地形の高まり』が確認できます。


IMG_8770.jpg


ちょっと見にくいので、クリックで確認して頂きたいです。

赤い文字に書いたエリアが、
『地形の高まり』がある部分です。

この地形の高まりのエリアは、
「大年寺〜緑ヶ丘〜三神峯」ライン
ここでは呼びます。

この大年寺〜緑ヶ丘〜三神峯ラインから太平洋側の地形は、
かなりの「急勾配」になっていて、
ここから太平洋の海側の地形である「沖積平野」と
繋がってます。

上記にも記載した通り、本来なら
「動物公園付近からの青葉山段丘から太平洋側の沖積平野まで、
 緩やかに傾斜して下りていく地形になるはず」が、
大年寺〜緑ヶ丘〜三神峯ラインで盛り上がった地形に
なってしまっています。

大年寺〜緑ヶ丘〜三神峯ラインについて、
この高まりをもう少し見てみると、
実は広瀬川を越えて、
「南鍛治町〜仙台一高〜新寺小路〜仙台育英学園〜
 陸前原町」以降まで続いています。


これは、なぜでしょうか?

答えは、
長い年月をかけての「地盤の上昇」によるものです。

大年寺山〜二ッ沢にかけては、
「大年寺山断層」によるもので、
長町利府断層も同様に
『逆断層型』で隆起した結果です。


IMG_8735.jpg


緑ヶ丘エリア方向の写真です。

緑と緑との間に住宅地が見えますが、
緑ヶ丘エリアと大塒エリア・その近隣地域です。


IMG_8735-1.jpg


大ざっぱに、八木山エリアを緑に囲みます。

IMG_8735-2.jpg


そして、大ざっぱに「茶色」の部分が
隆起し始めている部分です。

「盛土」などで現在は地形が変わってしまっていますが、
何となくこんな感じです。

色を付いていない、太平洋側のエリアは、
「沖積平野」です。

この隆起地域については、
「長町利府断層」と「大年寺山断層」が関係し、
それによっての地殻変動によって形成された地域です。

長町利府断層については、
1年に約0.65oの変動と言われていて、
大年寺山断層は約0.1oです。

周期は600年〜1000年と言われていて、
長町利府断層で起きたと言われる地震、
一番近い時期では1736年と言われており、
現在はまだ周期の半分も満たしていません。

ただ現在のハイテクを駆使しているデータではなく、
「古文書」によるものなので、正確ではないと思います。

この断層帯が活動を開始した時期は、
10数万年前と言われているそうです。

国道286号線沿いの「三桜高校」、
昔の三女高付近の地形が大年寺山方向に隆起していますが、
これも断層帯によるモノです。


IMG_8737.jpg
芦の口付近


仙台市の地形は、
全国的にも同様に見られることですが、
気候変動によって起こった「海による昇降運動」に
支配されながら原型形成されています。

しかしながら、
長町利府断層のような断層による変動、
仙台市内の河岸段丘などによる地形形成もあります。

八木山付近の「青葉山」に関しては、
どこからの火山か不明ではありますが、
「火山灰」で覆われている地域でもあります。



現在では、
「緑ヶ丘」「大年寺山」「三神峯」と名前が付いていて、
別々の山のように見てしまいますが、
実は 「大年寺〜緑ヶ丘〜三神峯」ラインは
「1グループ」の隆起地点なんですね。




今日「11月9日」から、「火災予防週間」です。

「119番の日」です。

今年の八木山エリアは「火災が多い」ですので、
火の元には注意して下さい。


★★★
posted by 八木山取材班 at 21:08| 宮城 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 八木山放送局NET | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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