2013年04月12日

仙台市消防局 太白消防署 八木山出張所「高規格救急車/広報車」

★★★



平成25年4月現在で、
太白消防署・八木山出張所に配備されている配置車両は、
合計4台あります。

八木山出張所にある消防自動車は2台。

水槽付きポンプ車「八木山1号」と、
普通ポンプ車「八木山2号」です。


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水槽付きポンプ車「八木山1号」

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普通ポンプ車「八木山2号」


これまで八木山出張所が大塒町に設置されていた時から
配備されていた消防自動車です。

消防車両についての詳細は、
右のリンクからご覧下さい。


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八木山広報車1号


そして、これも従来からあった
八木山広報車1号。

消防署によっては、広報車の役割として
火災現場や災害現場で指揮本部として使用しますが、
八木山出張所の広報車は、
災害広報、防火広報などに使用します。

これまでは「ホンダ・アクティバン」でしたが、
「日産・クリッパーバン」に一新されました。

「三菱・ミニキャブバン」かと思いましたが、
日産のエンブレムがありました。
三菱からのOEM車両「日産・クリッパーバン」です。


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後ろから見ると、
これまで使用されていた「アクティバン」に似ていますね。



そして今回の移転に伴い、
新しく仲間入りしたのが「高規格救急車」です。


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先日の開所式に撮影したので表に出ていますが、
本来はガレージに全て入っています。

今回導入された救急車は、
「トヨタ・ハイメディック」です。

トヨタ自動車が発売している高規格救急車で、
日本国内の高規格救急車市場においてトップシェアの車種です。

トヨタのハイエースがベースですが、
救急車に改良されている車両が
「トヨタ・ハイメディック」という名前です。

200系ハイエースのスーパーロング・ハイルーフのグレードで、
「両側スライドドア」が設定されている
「輸出用がベース車両」になっています。

国内仕様の200系ハイエースのボディには、
バン、ワゴン、コミューター全てで
「両側スライドドア」の設定が存在しておらず、
片側スライドドアのみになっています。

国内では、ハイメディックだけの専用装備です。


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乗用のハイエーススーパーロングハイルーフより
200mmほどかさ上げした専用架装になっていて、
室内高は1900mmを確保、
そのため救急車内の立ち仕事がし易くなっています。


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北海道・東北地区に納車される救急車両は
すべて「寒冷地仕様」が標準装備となっていて、
右側のブレーキランプ下の「後退灯」の箇所に
「リアフォグランプ」が装備されています。

「白色レンズ」ではなく「赤色レンズ」になっているため、
外観から寒冷地仕様と識別できます。


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「仙台市消防局」の救急車の特徴として、
他の地域にはない部分が、これでしょうか。

ハイルーフの横に「伊達政宗」がいますね。

気づいていた方、いますか?


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そして、リアゲートを開けて見せて頂きました。

ストレッチャーなどの大切な救急用具が見えますね。

パトカー同様、この中に乗って運ばれることは
一生したくないものですが、
あまり中を見る機会がないと思います。

取材班は1度だけ「リアルな患者」として
乗ったことがありますが、
訓練を受けた救急隊員が運転する救急車は、
揺れも少なく、スムーズだった記憶があります。
運転のプロですね。


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横から見ると、
ハイメディック車内のハイテクさが分かります。

ハイエースですと「数百万」で購入できますが、
ハイメディックの場合は当然「入札」になり、
装備等によりますが1台3千万近い金額になります。

今回導入されたハイメディックは「新車」ですので、
新車の香りが車内に充満していました。


ハイメディックは「高規格救急車」と呼ばれていますが、
『救急救命士が活動する為の構造になっている救急車』を
高規格救急車といいます。



全国自治体に配備されている消防の高規格救急車には、
常時最低1名、
救急救命士を乗車させることを目標とされています。

かつて、
「救急隊員は医師でないため、医療行為を行うことはできない」
とする日本の法制度上の制限があり、
救急搬送時の医療行為が一切禁止されていました。

しかし、
諸外国に比べて「低い心肺停止患者の救命率」や、
目の前で苦しんでいる人間がいるのに、
法の壁によって手を差し伸べることができなかったため、
患者の周囲からは厳しい言葉で責められる現場救急隊員の実情が
ありました。

そのため、
1991年(平成3年)4月23日、
救急救命士法が制定されて制度化されました。



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消防の方々は「消防隊員」と呼ばれますが、
救急車に乗り込む方々は「救急隊員」と呼ばれます。

救急車に乗り込む救急隊員は、全国的にも
3人1組の「少数精鋭チーム」であることが多く、
そのうちの1人以上が、
上記にも記載した「救命救急士」です。

八木山出張所を含む仙台市消防局も同様で、
救急車が出場の際は
「救命救急士」が1名以上乗り込むようにしています。

救急隊員全員が、人の命に関わる専門教育を受けていますが、
救命救急士は、さらにプラスαの教育を受けており
高度な資格を持っています。

救急救命士は、
救急振興財団で一定の訓練や専門教育を受け、
「国家試験に合格」して資格を得ています。

気道確保や人工呼吸のほか、除細動器による電気ショック、
簡単な薬などの応急措置もできることになっています。


1つ例に挙げますと、
呼吸機能の低下または停止したとき、気管にチューブを挿入して
肺に酸素を送る「気管挿管」という医療行為があります。

患者が自力呼吸が困難な時、
緊急では、交通事故・やけどなどの外傷の場合、 
気道の閉塞や損傷、脳梗塞、脳出血、急性心筋梗塞・・
比較的緊急で気管挿管するケースがあります。

日本では「気管挿管」は医療行為とされていて、
医師や歯科医師以外には気管挿管の施行が許されませんでしたが、
2004年から救急救命活動中の心肺停止状態の患者に対する
気道確保の方法のひとつとして、
「気管挿管」が救急救命士にも認められることになりました。


救急救命士は、
病院で手術を受ける患者の同意を得て、
気管挿管の実習を行います。

自治体でも、
救急救命士の気管挿管実習にご協力をお願いしますという
広報をしています。

救急救命士は、消防学校や救急救命士養成所等で
気管挿管に関する講習を受講した後、
都道府県のメディカルコントロール協議会によって
認証された医療機関で、
全身麻酔の症例を30例以上成功実施し、
病院実習修了証の交付を実習病院より受け取り、
認定を受けています。

メディカルコントロール協議会より認定を受けた救急救命士を
「気管挿管認定救急救命士」といいます。


こういう知識も、
私たちも一般住民も知っておいた方が良いことですね。

救急車が導入された事による1つとして。


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今回のこの取材は、
開所式の日に撮影を行っていましたが、
終了後に偶然、救急出場がありました。

救急隊員らが即座に乗り込み、
出場していく様子を撮影しました。


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動画じゃ無いので音は聞こえませんが、
ピーポー音のサイレンが鳴っています。

昔は「赤色灯が回転している」と言ったモノですが、
救急車は赤色の「ストロボ・フラッシュ」に
なっていますね。
LED化で、電力消費もセーブされているでしょう。

ハイメディックで感心したモノが
排気ガスが出る「マフラーの位置」でした。

普通のハイエースではテールエンドに配置されるマフラーですが、
排気ガスが患者にかからないようにするため、
ハイメディックでは右リアタイヤ直前に配置されていますね。
「横出しのマフラー・側方排気」になっています。

上の横からの写真で分かるでしょうか。


全国的に、
「救急車をタクシー代わりにする」などの
不適切に利用する人が多い現実がある日本。

これでは、
真に緊急を要する方への対応が遅れ、
救命率に影響が出るおそれがあります。

八木山エリアの住民には、
そんなことは絶対にしないことを信じています。


ただ誤解の無いように記載しておきますが、
ニュースなどで「重体、重傷、軽傷」という
表現を耳にすることがありますね?

官公署などでの事故の分類に使います。

「軽傷」は、傷病程度が入院加療を必要としないもの、
「重傷」は、
傷病程度が全治1ヶ月以上のものをいい、
骨折などは命に別状はありませんが、
全治1ヶ月以上となり分類上では「重傷」になります。

一方で「重体」や「危篤」。

この言葉は官公署は使用せず、
それを伝える報道機関・マスコミが怪我の状況を
わかりやすく報道するときに使います。

つまり官公署では「重体」「危篤」などの言葉は使わず、
重い怪我等はあくまで「重傷」という表現を使用し、
「重体」とはいいません。

この場合「重体」は、
官公署が使う「重傷」者のうち、
脳や内臓に大きな損傷を受け生命の危機に瀕している場合に
使用しています。

「重体」と報道されると命に関わります。


救急車を呼ぶ時に誤解して欲しくないのが、
「軽傷」の時ですね。
つまりは
「入院を必要としない、その日に帰宅できる状態」です。

イメージでは「軽傷で急襲車を呼ぶな・・」
と思ってしまいます。

ただ「餅をのどに詰まらせる」などは、
緊急性がありますね。 救急車が必要だと思います。
でも、救急車を呼んで病院に行ったとしても、
異物を取り除くことが出来れば、
その日に帰宅できるので「軽傷」です。

そのため「軽傷で急襲車を・・」とは
思えない軽傷もあります。

「指を骨折した」「腕を骨折した」
などは全治1ヶ月以上なので「重傷」ですが、
タクシーなどを使用できる範囲だと思います。

ただ「足を骨折して動けない」場合は、
「腕と同じ全治1ヶ月以上」ですが、
救急車だと思います。


これらの線引きに迷いが出るときがありますが、
私たち住民も、冷静に判断したい部分です。


仙台市消防局では、好きな時に気軽に学習が出来る
「応急手当WEB講習・eラーニング」 という
サイトも開設しているので、ご覧下さい。



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出場すると、
八木山出張所の事務室に「現着」したことが
分かるようになっていました。


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災害時の拠点として、
地域の安全・安心の確保に努めてくれている
「太白消防署・八木山出張所」。

当サイトでは以前より、
「消防車」を含めた「働く車両」を掲載しています。

地域の方々への知識は勿論ですが、
「八木山エリアの子供たち」のため。

そんな理由も含まれています。

小さい子供たちには、
消防車・救急車・パトカー・土木車両などの
「はたらく車」の人気が高いため、
八木山地域に住む御両親が、
子供たちに見せてあげることが出来るようにと、
そんな目的があります。

実際に、
八木山エリアにある「消防車」「救急車」なので、
間近で見ることが出来ます。

「近寄りがたい」

という雰囲気も、
普通の方ならば当然ある警察や消防機関ですが、
その距離感を意識の中だけでも
身近に感じる事が出来れば・・

そんな事を思いながら、
太白消防署や八木山出張所にご協力を頂いています。


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新しく配備された救急車、従来からある消防車。
そして新しく移転した「八木山出張所」を
宜しくお願い致します。




★★★
posted by 八木山取材班 at 15:00| 宮城 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 八木山の 防災/消防 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
僕は出初め式が
好きで良く仙台に
行きますわ
生まれは中田なんす
今は福島県相馬市に
居ますが仙台消防の方と
親しくしてたので
Posted by 仙台消防好き at 2013年04月13日 02:16
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